クリビーたちはナスビー博士の倉庫でたくさんのガラクタを手に入れることができました。
これらのガラクタを材料として、どうやって使うのでしょうか・・・?楽しみですね!
モモビー「これだけ色んな材料があれば面白い秘密基地ができそうだな!」
クリビーたちはナスビー博士とマルナス助手にお礼と挨拶をしました。そして研究所を出発しました。
クリビーたちは研究所よりも更に町外れにある森の方へ向かいました。
???「おーい、クリビー!ネギーン!モモビー!」
クリビーたちが道を進んでいると、後ろの方から聞き覚えのある声がしました。
クリビー「あ!トマオじゃないか!」

クリビーが振り返ると、そこにはトマトの少年、トマオの姿がありました。

▲キャラクター紹介:トマオ(トマトの少年。自信家で、ちょっとカッコつけているところがあるけど、男らしくてノリもよくて人気者だよ。いつもは女の子たちと一緒に遊んでいることが多いみたい。)
トマオは手を振ってこちらに駆け寄ってきました。
トマオ「よう。3人とも、すげー探したぜ!」
クリビー「トマオ!久しぶりだね!」
トマオ「久しぶり!・・・っていうか、何だよ、その大荷物!引っ越しでもするのか?」
モモビー「ちげーよ!おれっちたち、これから秘密基地を作るんだ!・・・あっ!」
ネギーン「モモビー!秘密基地って『ひみつ』だから秘密基地なんですよ!」
モモビー「ごめ〜ん、ついうっかり。」
トマオ「なんだ〜、俺には秘密で楽しむつもりだったのか!ちょうどいいや、俺も仲間に入れてくれよ!」
クリビー「しょうがないなぁ、それじゃあトマオも一緒に行こう!ネギーン、モモビー、2人ともOKだよね?」
モモビー「ま、全然いいぜ!」
ネギーン「そうですね!仲間が増えるのは楽しいことです!」
トマオ「ありがとな!」
クリビー「ところで、トマオこそ僕たちを探してたって言ってたけど、何かあったの?」
モモビー「クリビー、そんなこと聞くまでもないだろ。おれっち、今と同じ場面を何回も見てきたぜ。どうせトマ子とケンカでもしたんだろ?」
トマオ「ははは、当たり〜!そうなんだよ、トマ子のやつ、また買い物に付き合えって言うからさ、思わず『だり〜めんどくせ〜』って言っちゃって・・・。」


▲キャラクター紹介:トマ子(トマトの女の子。しっかり者でちょっとお姉さんっぽい性格だよ。トマオのことが気になっていて、いつも一緒にいるよ。トマオと似てるけど2人は兄弟姉妹ではないよ。)
クリビー「なるほど・・・そんな言い方されたらトマ子ちゃん怒るよね。」
トマオ「俺も悪かったと思ってすぐ謝ったんだけど、許さないって言うからさぁ。しばらく距離を置きたいんだって。」
モモビー「出た出た、、、女子のしばらく距離を置きたい作戦!」
トマオ「そんなんで、しばらく暇だし、久しぶりにクリビーたちと遊ぼうかと思って。」
モモビー「暇だからって、オイ!」「相変わらずだな〜、トマオらしいわ。」
トマオ「ははは。」
こうして、トマオも秘密基地のメンバーに加わることになりました。
秘密基地メンバー4人はそのまま道を進み続けました。そしてようやく森の入り口付近に辿り着きました。

ネギーン「僕、なんかワクワクしてきました!」
モモビー「ここまで色々あったけど、ここからが本番だもんな!」
クリビー「そうだね。それじゃあ、少し奥に進んでイイ感じの場所を見つけよう!」
モモビー・ネギーン・トマオ「OK!」
4人は森の奥へと進んでゆきました。
しばらく歩くと、数本の木に囲まれた、地面の平らな場所を見つけました。
ネギーン「ここら辺がいいかもです!」
クリビー「そうだね!それじゃあ、荷物を降そう。」
4人はその場に荷物を広げ、手分けして秘密基地作りをスタートしました。

トマオ「この木にロープを縛り付けようか。」
モモビー「OK!このタイヤはとりあえず端っこに置いておこっと。」
ネギーン「この布は何に使うんでしたっけ?」
クリビー「それは僕たち4人の友情を記念した旗にするんだ。」
そう言い、クリビーは隠し持っていた黒いマジックで白い布にデザインを描き始めました。
トマオ「俺たちの旗か!なんか山賊みたいでかっけ〜じゃん!」
ネギーン「いいですね!僕たち4人は最強の山賊団という設定にしましょう!」
モモビー「くー!山賊は男のロマンだぜ!」「おい!山賊団のことも、この秘密基地のことも、男4人のひみつな!絶対にひ・み・つだぞ!」
クリビー「へい!頭(かしら)!」
ネギーン・トマオ「ラジャー!」
4人は山賊になりきって楽しみながら秘密基地を作りました。
せっせ、せっせ、
4人とも集中し始め、黙々と作業が進みます。ときどき相談し合いながら、材料の組み立てと設置をこなしていきました。4人ともいつになく真剣です。
そして・・・
クリビー「完成だー!」

どれくらいかかったのでしょう、ようやくクリビーたちの念願の秘密基地が完成しました。
ビニールシートの4角をロープで引っ張り、木にくくりつけて屋根にしました。
ビンの回収ケースを逆さにして、テーブルにしました。タイヤは椅子の代わりに使うことにしたようです。
ポール、ブロック、園芸用のネットを組み合わせて、屋根の下のスペースを囲みました。
いらないディスク、壊れたカメラはスズランテープで吊るし、飾り付けに使いました。4人のアイディアを合わせた楽しい秘密基地が完成したのです。
4人はそれぞれ自由に秘密基地の中でゆったりと過ごしました。
モモビー「ここ漫画読むのに最高の場所だな〜。」
トマオ「空気も爽やかだし、鳥の声も聞こえて、昼寝にも最高だわ〜。」
ネギーン「ふふふ、僕はもっと基地のカスタマイズをしたいです。ナスビー博士に頼んで追加でガラクタを貰いに行きましょう。」
クリビー「みんな、夢が叶ってよかったね!今日のところはここまでにしよう。」
気がつくともう夕方に。空はもう暗くなりかけていました。4人はまだずっと遊んでいたい気持ちを抑え、帰ることにしました。
帰り道を歩く中、モモビーがもう一度念を押すように言いました。
モモビー「いいか!秘密基地のことはこの4人だけの絶対のひ・み・つな!男の誓いだぞ!」
4人は秘密基地のことを誰にも言わないよう約束したようです。
ところが、それから1週間ほど過ぎた日のこと・・・
クリビー、モモビー、ネギーンの3人はまたいつもの広場に集合していました。
モモビー「なあ、今日も秘密基地に行こうぜ!」
クリビー「いいね!行こう行こう!」
ネギーン「賛成です!・・・あの、そういえば最近またトマオ君を見ないですが、どうしたんでしょうか?」
ネギーンの言う通り、秘密基地が完成したあの日以来、3人ともトマオの姿を見ていません。
クリビー「秘密基地に行く日は絶対にトマオの家まで誘いに行ってるけど、留守みたいなんだ。」
モモビー「・・・嫌な予感がする。」
クリビーとネギーン「え?」
モモビー「早くっ!秘密基地に急げー!!」
そう言うとモモビーは突然、走り出しました。クリビーとネギーンの2人もモモビーを追いかけ、走ります。
3人は猛ダッシュで秘密基地のある森の方へ向かいました。
モモビー「わー!!!やっぱり!」「トーマオーーーーーっ!!!」
秘密基地に到着したモモビーはその様子を見て絶叫しました。

後からクリビーとネギーンも追いつき、秘密基地を見て絶句しました。
トマオ「てへへ!みんな、ごめ~ん。」
なんと、そこにはトマオとトマ子、そしてトマ子と仲の良い長ネギ子とマロンちゃんがいました。

▲キャラクター紹介:長ネギ子(ながねぎこ。長ネギの女の子。気が強くていつも明るいよ。ウワサ好きでとてもおしゃべり!)

▲キャラクター紹介:マロンちゃん(かわいらしい栗の女の子。おっとりのんびりしていて、やさしい性格だよ。クリビーとは両想いみたい!)
モモビー「トマオ、おまえってやつはっ!」「秘密基地のことは誰にもひ・み・つだって、男同士、約束したじゃないか!」
トマオ「悪いな、モモビー!それにクリビーとネギーンも。」「トマ子と仲直りしたくてデートに誘ったんだけど、この場所を見せたくなっちゃってさ。」
ネギーン「なんで、長ネギ子さんとマロンちゃんまでいるんですか・・・?」
トマオ「それがな!トマ子がめっちゃ気に入ってくれて、2人も呼びたいって言うからさ。」
クリビー「モモビーの嫌な予感って、こういうことだったんだね・・・。」
トマオ「おかげでトマ子と仲直りもできたし、一件落着だな!本当にありがとな!」
トマ子「クリビーたちも秘密基地を作るの手伝ってくれたんだって?こんないい感じの場所、女子会するのにぴったりね、ありがと~!」
モモビー「ぐぬぬぬぬ・・・トマオのやつ、いかにも自分が作った秘密基地みたいに自慢したんだなこりゃ。しかも山賊の秘密基地で女子会?男のロマンが台無しだ!」
クリビー「まあまあ・・・仲間が増えるのは楽しいことだし・・・。」
モモビー「クリビー、おまえは、マロンちゃんがいるから嬉しいだけだろ!」
クリビー「えへへ。」
ネギーン「ねぇモモビー、ここに長ネギ子さんがいるということは・・・」
モモビー「あ・・・」
長ネギ子「ホントにここ気に入ったわ~!今度ジャガイモ太とニンジたちにも教えてあげましょ!」「それからマーメ先生とダイコーン先生も呼んで~」「レモンのレモ太と柿のカキーン君も誘ってみましょうよ~」・・・
モモビー「最悪だ・・・」
その後、とてもおしゃべり好きな長ネギ子さんによって秘密基地の存在はたくさんの人に知られることになってしまいました。今では「ひみつの秘密基地」は「だれもが知っている秘密基地」になってしまったとさ。
おしまい
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