どんどん先に行ってしまうチンゲン君に続き、クリビーも勇気を出してついてゆきます。
クリビー「虫いっぱいなんて怖いけど、秘密の場所って言われると気になるなぁ・・・。」
クリビーの心は不安より好奇心の方が勝っていました。
それに、謎の多いチンゲン君です。この際、チンゲン君がどんな子なのか、よく知れるチャンスです。
チンゲン「ついたー!クリビー!早くー!」
チンゲン君は、背の高い草と草の間から顔を出して手招きをしていました。

クリビー「・・・!この草むらの先に虫がいっぱいか・・・行くぞー!」
クリビーは思い切って草ボーボーの中に足を踏み入れました。
すると、

そこには、流れの穏やかな川がありました。
そして、眩しいくらい光の粒がたくさん、空中をフワフワと漂っていました。
クリビー「これって、ホタル!?こんなにたくさん!!!」
川の向こう岸にも数え切れないほどの光の点滅が見えました。
クリビー「まるでクリスマスみたいだ・・・!」
チンゲン君が言っていた虫とはホタルのことだったのでした。

チンゲン「ふひひ。ビックリした?ここ、オイラのお気に入りなのだ。」
クリビー「すごいよチンゲン君!こんな場所、よく見つけたね!僕、ホタル見るの初めてなんだ!」
クリビーにとって、ホタルの数とその明るさは想像を超えるものでした。
クリビーとチンゲン君はその場に座り、ホタルを眺めながら少し会話をしました。
クリビー「ねえチンゲン君、君って虫が好きみたいだけど、ダンゴムシの他にも虫を飼っているの?」
クリビーはジャガイモ太たちから聞いた情報が本当なのかチンゲン君に色々質問してみました。

チンゲン「ダンゴムシはもう自然に返したのだ。オイラ、虫取りは好きだけど、最後は自然に返す主義なのだ。」「この前、珍しい虫を捕まえたのだ。しばらくは観察するつもりだが、今度、逃す前にクリビーにも見せてあげるよ。」
どうやら、チンゲン君が家でハエを飼っているというのは嘘の情報だったようです。
今は『珍しい虫』が家にいるようです。この珍しい虫がハエでなければ、、、
チンゲン「じゃ、もうこれ以上遅くなったらやばいから帰るチン。」
クリビー「チンゲン君!素敵な場所を教えてくれてありがとう!」
しばらくして2人はホタルのいる沢から離れ、それぞれの家に帰りました。
クリビー「じゃあね!また明日!」
チンゲン「ばいば〜い!」

ホタルが舞う幻想的な夜。それはクリビーにとって忘れられない思い出となりました。
その夜、クリビーは寝る前に決めました。
クリビー「(明日、モモビーとネギーンに謝ろう・・・。)

クリビーはチンゲン君が謝りに来てくれた勇気を受け取り、正気に戻ることができました。
まだ、学校に行くのが怖い気持ちは少し残っていましたが、明日も学校にチンゲン君がいれば、なんとか楽しく過ごせる気がしました。
その夜、クリビーはぐっすり眠ることができました。
そして、次の日、火曜日の朝が来ました。
つづく
コメント