モモビー「おいッ!クリビー!!!」
モモビーは話しかけても返事をしないクリビーに近づき、強く言いました。
クリビー「!・・・モ、モモビー、それにネギーン・・・。」
ネギーン「やっと気がついてくれましたね!クリビー、そんな暗い顔して、今日学校で何かあったんですか?」
クリビー「いや、なんでもないよ・・・。」
モモビー「なんでもない?そんな訳ないだろ!何があったんだよ!言ってみろよ!」
クリビー「ほんとに、何でもないったら・・・!」
いつものクリビーなら、心置きなくモモビーとネギーンに何でも相談しているはずです。ところが、今回はそんな返事をしてしまったクリビー。
モモビー「あ、わかった!マーメ先生のおしりを触って怒られたんだろ??そうだそうだ!」

モモビーはそのように冗談を言ってクリビーを笑わせようとしました。
クリビー「ちがう!僕はそんなことしないよ!」
普段なら冗談とわかることも、今日は真に受けてしまったクリビー。モモビーにからかわれた気がして本気で怒ってしまいました。
モモビー「じょ、冗談だって!そんなに怒るなよ、クリビー。」
ネギーン「クリビー、今日はなんかいつもと違いますね・・・。もしかして僕たち違うクラスになっちゃたからですか?」
ネギーンはクリビーの肩にポンッと手をあてて励ますつもりでそう言いました。
クリビー「もう!しつこいなあ!放っておいてよ!」

クリビーはネギーンの手を振り払い、泣きながらワーッと走り去ってしまいました。
モモビー「なんだあいつ!」
嫌なことが重なり、心が荒れてしまったクリビー。仲の良い友達にまで素直になることができなくなってしまいました。
・・・
クリビーは家に帰ったあと、ずっと布団の中にいました。今日あったことを思い出すのも、明日のことを考えるのも嫌で、寝てしまおうと思ったのです。

しかし、こういうときほど、なかなか眠れないものです。
クリビー「(う〜、僕ったら何てことしちゃったんだろ・・・。モモビーとネギーンは僕を心配して・・・それなのに。)」
家で一人になってからようやく、クリビーは自分のしたことを後悔しました。嫌なことがあったのは確かだけど、最後にモモビーとネギーンにあたることはいけなかった、そう気づきました。
クリビー「(うわぁ〜、僕ったらあんな態度しちゃって、モモビーとネギーンにまで友達やめようって言われちゃうかも。)」
素直に謝れば済むかもしれないのに、『友達』という存在そのものが怖くなってしまったクリビー。
クリビー「(もういいや・・・。学校に行っても嫌な思いするだけだし、明日からしばらく休んでしまおう。)」
クリビーは学校に行くのをやめる決心をしてしまいました。明日は火曜日なので、学校に行く日です。なので、明日の夜までこのまま寝て過ごすことにしました。
クリビー「(どうせ起きてても誰とも遊びに行けないし、家にいても嫌なこと思い出すだけだし。)」
布団の中でグズグズしているクリビーでした。なかなか眠れず何度も同じことを思い出したり、考えたりしてしまいました。
・・・
すごく長い時間がたったと思った頃、クリビーは自分が眠っていたことに気がついたと同時に、目が覚めました。

クリビー「(う〜、よく寝たなぁ。あれ、外が明るい?もしかして、もう朝になったのかな・・・。まあいいや、今日は学校行かないって決めたから、準備しなくていいや。)」
そう思って時計を見ました。
時刻は夕方の16時でした。

外が明るく感じたのは沈む夕陽の強い光のせいでした。
クリビー「(えー!まだ今日のままなの!?・・・なんだか時間が経つのが遅いなぁ。)」
いつもなら学校が終わって友達と遊ぶ時間。自分だけが孤独で、他の子たち全員が友達と楽ししく過ごしている・・・(全員が全員、友達といる訳でも、楽しい訳でも、それぞれ事情はあって、そんなはずないのに)そう考えてしまう時間でした。
クリビー「(・・・モモビーとネギーン、きっとまだ怒ってるよね。はぁ・・・。それにしても、チンゲン君は今も1人でいるのかな。友達がいらないって噂は本当なのかな。せっかく仲良くなろうと思ったのに、どうしてチンゲン君は急に友達やめようなんて言ったんだろう。)」
ピンポ〜ン
クリビーは布団の中でグズグズしていると、突然、ドアのベルが鳴りました。
誰かがクリビーを訪ねてきたようです。
クリビー「一体、誰だろう・・・?」
クリビーはベッドから起き上がり、玄関の方に向かいました・・・。
つづく
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