やさいせいにも春がやってきます。
春といえばサクラ、お花見(おはなみ)の季節ですね!
クリビーたちもお花見の計画をしているようです。
ある日の朝、
クリビー(真ん中)、ネギーン(左)、モモビー(右)の3人は、いつもの広場に集まっていました。

▲キャラクター紹介:クリビー(この物語の主人公!元気で冒険が大好きな栗の少年だよ。勇気があるけど、やさしい心を持っているよ。)

▲キャラクター紹介:モモビー(力持ちで頼りになる、桃の少年。おおざっぱな性格だけどすっきりしていて気持ちのいいやつだよ。)

▲キャラクター紹介:ネギーン(たまねぎの少年。本が好きで、調べたり勉強したりするのが得意だよ。気が弱いところがあるけど、まじめできちんとした性格。)
クリビー「ねえ、今日は何して遊ぶ?」
モモビー「うーん、毎日おにごっこばかりで飽きたしな。ネギーン、何かいい遊び知らないか?」
ネギーン「そうですね~、『お花見(おはなみ)』なんてどうでしょう?」
クリビーとモモビーは顔を見合わせ、声をそろえて言いました。
クリビーとモモビー「お花見!?」
モモビー「・・・おもしろそうじゃんか!それ、それ!お花見やろうぜ!」
クリビー「・・・」
モモビー「・・・ところで、お花見ってなんだ?」
クリビー「ぼくも聞こうとおもってた。」
ネギーン「え!2人ともお花見を知らないんですか?」「お花見というのは、サクラの木の下に集まって、お食事したり、お酒を飲んだり、春の季節を楽しむ行事なんですよ!」

ネギーン「レジャーシートをしいて、サクラの花を眺めながらみんなで美味しいものを食べてワイワイするんですよ。」
モモビー「へー!なんかよくわからないけど、美味しいものを食べるってのは楽しそうだな!」
ネギーン「はい、大人たちも大勢で集まって、お花見はとても賑やかなんですよ。」
クリビー「そうなんだ~。ピクニックみたいな感じだね!」「さっそくやろう!ぼくたち子供はお酒飲めないから、自分の好きなジュースを持っていこう!」
モモビー「よし!今日の遊びはお花見に決定だー!」
ネギーン「ふふふ、2人がお花見に興味を持ってくれてよかったです!」
モモビー「ナイスアイディアだぜネギーン!」
クリビー「それじゃ、いったん家に帰ってお菓子とジュースを準備して、またここに集合だ!」
モモビーとネギーン「りょうか~い!」
3人は一旦それぞれの家に帰り、また広場に集まることにしました。
1時間後・・・
3人はそれぞれお菓子とジュースを持って広場に戻ってきました。
クリビー「みんな、そろったね!・・・それで、どこへ行けばお花見できるの?」
ネギーン「ここから近い場所だと、イコイコ公園がお花見スポットとして有名ですよ!」
モモビー「じゃあ、そのイコイコ公園に行ってみよう!」
3人はイコイコ公園に向かいました。
・・・
クリビー「あれ?」
3人は公園に到着しました。が、公園はとても静かです。
そして、サクラの木にはまだお花が咲いていませんでした。

モモビー「おい!ネギーン、どういうことだよ!」「お花見にきたのに、花がないじゃんか!」
クリビー「これじゃ、枝見(えだみ)になっちゃうね。」
ネギーン「そんなぁ・・・ボクが見た植物の本には、3月中旬にはサクラが満開になるって書いてあったんですよ・・・」
モモビー「3月中旬?今ちょうど3月中旬じゃんか。なんで咲いてないんだよ!」
クリビー「ねえ、木の枝を見て!黒っぽくてブツブツしたものがたくさんついてるよ。」
ネギーン「クリビー、それはサクラのつぼみです。つまり、お花はこれから咲くということです。」
モモビー「そんなあ~、せっかく来たのに!」「おれっちはお花見したいー!お花見したいぞー!」
モモビーは大きなこえで叫びました。
???「誰だ、大きな声で騒いでいるのは!」「・・・ん?誰かと思えば、また君たちか!」
クリビーたちの立っている後ろから、聞いたことのある低い声がしました。
すぐさま3人が振り返ると、そこにはナスビー博士の姿がありました。

「ナスビー博士!」
クリビー、モモビー、ネギーンの3人は声をそろえて言いました。
クリビー「博士、今日は助手のマルナスさんは一緒じゃないんですか?」
ナスビー「うむ、今日は研究所をお休みにしたから、それぞれ別行動をしているんだ。」
モモビー「・・・また一人であやしい行動?」
ナスビー「失礼な!私は気分転換に、公園を散歩をしていただけだ!」

▲キャラクター紹介:ナスビー博士(左)とマルナス助手(右)
このナスの2人はナスビー博士の研究所で一緒に発明をしているよ。2人とも大人だけどクリビーや子供たちと気が合うみたい。町の人たちから変わり者だとウワサされているよ。同じナスで似てるけど2人は兄弟ではないよ。
今日のお話ではマルナス助手は登場しないよ。また今度会えるのを楽しみにしててね。
ナスビー博士「さて。君たちこそ、そんな荷物を持って、何しに来たんだい?」
クリビー「僕たち、お花見をしに来たんです。」
ナスビー「お花見?まだ花がさいていないじゃないか。」
ネギーン「そうなんです。ボクの下調べが足りなくて・・・しゅん。」
ネギーンは申し訳なさそうに、少し下をむいて落ち込んでいるようです。
ナスビー「ははーん、ネギーン君。君は、また本とかインターネットの情報をうのみにしたんだね。」「歩いていける距離なんだし、お花がいつ咲きそうなのか、実際に様子を見に行ってから計画しないとだよ。」

ネギーン「はい・・・本当にそうですね。実際に自分で見て確かめるのは大切なことですね。」
ナスビー「そうだね。ネギーン君、一つ勉強になったね。よかったじゃないか。」
モモビー「ネギーン、そんなに落ち込むなよ!」「また来ればいいじゃないか!」
クリビー「そうだよ!また来ようよ!」
ネギーン「・・・クリビー、モモビー、2人とも、ありがとう!」「そうだね!ボクもまた3人でお花見チャレンジしたい!よろしくね!」
クリビー、モモビーはネギーンのほうを見て、にっこりとうなずきました。
クリビー「ところで博士、このサクラの花、いつ咲くと思いますか?」
ナスビー「う~む、もうまもなく咲きそうな感じがするがなあ。」「3日後、1週間後、と、ちょいちょい様子を見に来たらいいさ。」
クリビー「わかった、そうする!」
その後、クリビーたちはナスビー博士と別れ、またいつもの広場に戻りました。
その日はいつもと同じおにごっこで遊びました。
それから1週間くらいした日の朝・・・
ネギーン「大変です!今日、イコイコ公園を見に行ったら、サクラが満開でした!」「今日がお花見のチャンスです!」
ネギーンは朝から、クリビーの家、モモビーの家の順にまわり、2人を連れ出しました。そして、急いでレジャーシートやお菓子、ジュースの準備をして、お花見スポットのイコイコ公園にむかいました。
モモビー「ネギーン、おれっち、実はもうお花見のことすっかり忘れてたぜ。」「誘ってくれてありがとうな!」
クリビー「僕は楽しみにしてたよ!でも、もうお花が咲いていたなんて、気がつかなかった!」
ネギーン「あのお花見ができなかった日以来、悔しくて、毎朝毎朝、公園に行ってサクラの様子を見に行ってたんですよ!」
モモビー「ネギーンは本当に真面目だな~・・・でも、そのおかげでお花見ができて、おれっちは嬉しいぜ!」
3人は話しながら歩き、まもなく公園に到着しました。
ところが・・・
つづく
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